2012年12月14日 07:03
飛行中、全エンジン停止! 乗客248名の運命は? - 過去の航空事故を検証
航空事故に遭遇する確率は、自動車に乗って事故に遭う確率よりも断然低く、現代の航空機は非常に安全性の高い乗り物だ。
しかし、過去には教訓とすべき重大アクシデント(インシデント)も起きている。
ここでは航空ジャーナリストで、数々のテレビ番組で航空機の解説を行っている筆者が過去の航空事故の原因を紐解き、その後さまざまな安全対策が講じられた実話を紹介しよう。
ロンドンをたったブリティッシュ・エアウェイズ9便(BA9)は、乗員15名、乗客248名を乗せてパース(オーストラリア)に向かう長距離フライトだった。
機材はボーイング747、通称「ジャンボ」。
経由地のクアラルンプール(マレーシア)を離陸した約1時間半後、突然4つのエンジンが全て停止した――。
1982年6月24日に発生した、重大な航空インシデントである。
インドネシア上空1万1,300mを順調に夜間飛行していたBA9は、24日21時半すぎ(現地時間)、コクピットの窓から奇妙な閃光が見えた。
レーダーには何も映っておらず、雷雲ではないことは明らかだった。
機長が機内の空調ダクトから煙が出ていることを確認し、機内での火災発生も疑われた。