くらし情報『【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(23):もしもカミナリに打たれたら』

2012年12月9日 12:50

【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(23):もしもカミナリに打たれたら

まず、マイナスに帯電した雲底が、静電誘導によって直下の地表をプラスに帯電させる。次に雲底から地表に向けて電子が飛び出す。空気分子と衝突しながら電子は高温高密度のプラズマを生じ、ステップトリーダと呼ばれる光の道を作りだす。

弱い閃光(せんこう)を放ちながら地表へと向かうが、真下に向かうとは限らない。空気は電気抵抗が大きく、雷にとって非常に流れにくい場所だからだ。目安として1mm飛ぶのに3,000Vが必要となるので、温度/湿度の条件がよく流れやすい経路を選びながら進む。

場合によっては枝分かれし、どこに落ちるかは雷のみぞ知る。

ステップトリーダが地上100メートルほどに達すると、地表からプラスの電荷が飛び出しストリーマが生じる。
まるでステップトリーダの到着を待ちきれず迎えにゆくように。やっと出会えた両者は雷雲と地表を結ぶ架け橋となり、強い閃光(せんこう)をともなった主雷撃を導く。

規模にもよるが、1億ボルト、10万アンペア、10兆ワットが相場だ。手間、燃料、排気なしの三拍子そろった雷発電は、発生から百万分の1秒でピークを迎え、百万分の80秒で生涯を終える。10兆ワットの響きとは裏腹に、究極の一発屋で終わる。

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