“香り”で記憶や時間をコントロール!? 「お香」活用法
香りはどのように世界に伝わったのか香りの文化は古く、4000年前の古代インドにも遡ることができるそうです。古代インドを中心に西に伝わった香りは「液体」、つまり「香水」になり、東に伝わった香りは「固形」、「お香」などになったそうです。どのように香りは旅をして、変化していったのかを考えるとなんだかロマンを感じますね。
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日本の香りの歴史飛鳥・奈良時代は隋・唐から入ってきた濃密な香りを持つ焚香料(ふんこうりょう)を仏教儀礼で使用する宗教色の強いものでした。ほかにも経本や衣服の防虫・加香に用いられたことから、実用品としても生活に取り入れられていたことが伺えます。
香りの文化が花開いたのは平安時代。自分だけの香りをブレンドし身にまとった貴族たちは、姿を見なくても香りだけで誰なのかが分かったそうです。しかし高価な香木は貴族の特権であり、香りを作るためには、財力・知力・感性が備わっている必要がありました。
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自分の「美」を香りで演出することは、のちに香道に発展し、茶道などと並び身につける教養のひとつにまでなったのです。今ではいろいろなお香販売店などで、香道体験をすることができます。
香の十徳
十一世紀の北宋の詩人 黄庭堅(こうていけん)の作品。その後、一休禅師により日本に紹介された、と言われています。
(一)感覚を研ぎ澄ます
(二)心身を清浄する
(三)汚れを取り除く
(四)眠気を覚ます
(五)孤独感を癒す
(六)多忙時でも心を和ます
(七)沢山あっても邪魔にならない
(八)少量でも芳香を放つ
(九)何百年をへても朽ち果てない
(十)常用しても害がない
偶然から生まれる神秘の香り香木で有名な
「伽羅」(きゃら)は樹木の中で
偶然に生成される半化石状態のもので、ほかの香りは科学的に作る事はできても伽羅だけは現代の科学を持ってしても未だに解明ができていません。
それだけ貴重なものなので、発掘されるベトナムの山岳地帯では、伽羅の香木ひとつで一生食べていくことができるだとか。伽羅が取れる地域は未だに歴史的に秘密とされており、現地の住民が守っているのだそうです。