隣席の夫婦にディナーをプレゼント 幸せをおすそわけする「ペイイットフォワード」
先日、アメリカ人の友人からこんな話を聞きました。
友人の誕生日のできごとです。彼女の夫は誕生日を祝うために、ちょっと良いレストランを予約しました。そこでふたりはおいしいワインと料理を堪能し、すてきな時間を過ごしたそう。
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夜も深まって、夫が会計をすませようとしたとき、担当のウェイターがこう告げにきました。「お代はお客さまのお隣に座っていた、女性おふたりが支払われました」。
「びっくりして、ハートが開く感覚がしたの。忘れられないバースデーよ! 次は私たちが誰かに同じことをしようと、夫と話しているの。
とても楽しみだわ」と、友人は興奮気味に話してくれました。なんともすてきな話ですよね。
■「ペイ イット フォワード」で幸せをおすそわけする
「Pay It Forward(ペイ イット フォワード)」という言葉があります。人から受けた善意を別の人につなぎ、親切の輪を広げるというものです。これには、どのような心理があるのでしょうか。
ハーバード大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校で2010年に発表された研究によると、「寛容さは伝染する」ということがわかったといいます。友人が感じたことは、決して特別なことではなく、とても自然な反応であると、この研究で証明されました。
うれしいことが起きたとき、なぜ人は誰かに同じことをしてあげたくなるのでしょうか。
ちょっと難しい言葉で言うと、「見返りを求めず優しく寛容にするとき、私たちはその相手の回復力を上げている」ということになるのです。
「癒やされ、回復する」ということは、つまり、より強い生命力を再び得ることにつながるのだそう。