くらし情報『世界が認めた画家・暁斎=狂斎の画力の凄さとは【NADiffオススメBOOK】』

2017年3月16日 21:30

世界が認めた画家・暁斎=狂斎の画力の凄さとは【NADiffオススメBOOK】

『反骨の画家河鍋暁斎』 狩野博幸、河鍋楠美

木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、狩野博幸、河鍋楠美著の『反骨の画家河鍋暁斎』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。■『反骨の画家河鍋暁斎』 狩野博幸、河鍋楠美幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎は、別名「狂斎」とも言われ、いわゆる世俗を逸脱した聖人に近い狂者のような人物であった。浮世絵師歌川国芳のもとで学んだ後、狩野派の前村洞和に師事し、洞和は、一心不乱に絵に打ち込む姿を見て「画鬼」とあだ名をつけたという。彼の画力の見事さは、実物を前に写生することで身につけた卓越したデッサン力にあり、特に動物の絵に現れている。国芳も猫好きであったが、暁斎も庭にさまざまな動物を飼い、熱心に写生していた。彼の描くネズミやコウモリなどが曲芸をする絵はどれもユーモラスでおもしろい。
明治維新のさなかの1831年に生まれた暁斎の絵には、文明開化によって現れた電信柱や蒸気船、暁斎の門人であったジョサイヤ・コンドルをはじめとする外国人の姿も多く描かれており、文明開化に踊らされる愚かな人間たちを笑い飛ばすような、人間の内面をえぐりとった風俗も数多く戯画化しているのが、さらにおもしろいところである。

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