2018年7月21日 19:00
奈良美智が約5年間撮りためたフィルム、六本木で個展も開催中【ShelfオススメBOOK】
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。
■『days 2014-2018: Sixteen springs and sixteen summers gone―Take your time, it won’t be long now』奈良美智
作品としての発表を前提とせず、見過ごされてしまうような風景や生命の価値を心に留めるように写真に収めることは、奈良にとって自身の感性を記録し鍛錬する行為であり続けた。
それら記録と記憶の集積は、制作における深い内省と対話に寄り添うように、巡る季節の中に点在する無数の瞬間を捉えていく。
様々な風土、音楽、生命、歴史、風景、人々を撮影した写真群には、作家が走り続けてきた軌跡とその視線が無垢なイメージとして表出する。
フィルムからデジタル、そしてiPhoneへ、折々の自身にとって最も身近なカメラで直感的に撮影された被写体は、各々が常に等価に扱われ、無意識のうちに繋がり合い、独特の世界観を提示する。