くらし情報『ミューラル 2023年秋冬コレクション - 雪を愛おしむ──移ろうものへのまなざし』

2023年3月21日 21:35

ミューラル 2023年秋冬コレクション - 雪を愛おしむ──移ろうものへのまなざし

ミューラル 2023年秋冬コレクション - 雪を愛おしむ──移ろうものへのまなざし

ミューラル(MURRAL)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月18日(土)、東京・丸の内の東京国際フォーラムにて発表された。

研ぎ澄まされた繊細さ
移ろいゆくもの、儚いものへと注がれるまなざし──ミューラルにはそうした繊細さが通底しているのではないかと、2023年春夏のコレクションに寄せて書いた。先シーズンのミューラルが、幾重ものヴェールを脱ぎ去って現れる等身大の自分を「ヌード(NUDE)」というテーマで追求したのならば、今季はややもすればひりひりと痛む剥き出しの自分、その脆いほどの感じやすさを、「フラジャイル(FRAGILE)」という言葉で深めたように思われる。

ミューラルにとって、「脆さ」を意味する「フラジャイル」を具現化する特権的な対象が、雪であった。空の気候状態に応じて結晶の形をさまざまに変える雪は、しかし、地上に降り注ぎ、手のひらで愛おしもうものならば、たちどころに溶けて消え入ってしまう。世界で初めて人工雪の製作に成功した物理学者・中谷宇吉郎は、「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残しているが、脆く移ろいやすい雪という手紙を受け取るには、受け手もまた繊細であらねばならない。

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