2023年5月8日 06:00
爽やかな風が吹く季節 古くから、時候の挨拶に使われてきた『薫風』という言葉
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言(ひとりごと)』にお付き合いください。
風薫る今まさに薫風の季節
初夏の五月、いい季節です。日差しが春より強さを増し、みどりが更に深まる季節です。
薫る風と書く。中国で生まれた言葉『薫風(くんぷう)』は、丁度、今の季節、緑や花の香りを運んで、静かに、そして爽やかに吹く風のことを言います。
皆さんがお住まいの所に、この薫風は吹いていますでしょうか…。
長い日本列島、南から暖風、薫風、寒風と言った所でしょうか…。
ところで、この薫風という言葉ですが、古くから、時候の挨拶に使われてきました。例えば、
「拝啓、薫風の候、新緑が目に眩しく感じられますが、御変りございませんか…」
というような書き出しで始まる手紙…そうですねぇ…実年以上の方は概ね手紙の場合には、時候の挨拶としてお使いになるのではないでしょうか。
今後も残しておきたい素敵な日本語と思っております。
私が手紙・葉書を書く場合、この時期には、『薫風・新緑の2文字』は必ず使うように心がけております。