2018年8月22日 06:00
2歳の双子を育てる女性医師も働いてる「女性が一生働ける病院」
週4日勤務で当直もオンコール(時間外の待機)もなし。昼間は外来に加え、婦人科の手術や帝王切開もやるという好条件だった。
「キャリアを積むことができて、育児とも両立できる。桑江先生は“雨宿り”と表現されていましたが、子育てが一段落したら、また大きな病院に移ることもできるので、精神的にも楽です」
だが、女性医師に寄り添う医療現場は少なく、出産育児を機に、キャリアを捨てざるをえなくなったというケースは少なくない。
厚生労働省の、’06~’16年の調査によると、女性医師の就業率は、医師登録して12年後、つまり出産や育児の時期と重なる30代後半で、75%ほどに下がるのだ。桑江さんが続ける。
「そうした理由から、女性医師の流出を防ぐために院内に託児所を設置する施設も増えてきました。しかし、一緒に働く男性医師の意識が古いままでは、根本的な解決にはつながりません」
女性医師のニーズの高い小児科でも「女性は出産時に辞めてしまうのでダメ」と断られたり、「2年間は妊娠するな」と条件を突きつけられることもある。
医療現場で求められるのは、24時間365日、滅私奉公で働ける医師。