2019年4月19日 16:00
156万人もいた…あなたも!厚生年金の加入漏れにご用心!
今月5日、厚生年金の加入条件をクリアしているのに加入せず、国民年金のままになっている“加入漏れ”が推計で156万人いるとわかった(厚生労働省)。厚生年金の加入漏れについて、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。
そもそも公的年金には国民年金と厚生年金があります。国民年金は、20歳になると全国民が加入する基礎年金で、厚生年金は基礎年金に上乗せする構造です。厚生年金に加入すると、老後の年金額が多いなど有利な点があります。
厚生年金の加入条件は、会社の労働時間の4分の3以上働くことです。たとえば社員が週40時間働く会社で、週30時間以上働く方は全員、パートでも加入できます。また’16年10月からは、従業員501人以上の会社で、週20時間以上、月収8万8,000円以上などの方も加入対象になりました。
年収に換算し“106万円の壁”と呼ばれます。
さらに’18年4月からは、従業員500人以下の会社でも労使で合意すれば、加入できます。
国は年金を支える加入者を増やしたいのでしょうが、厚生年金の保険料は労使折半。経営が厳しい、保険料負担を抑えたいなどの理由で、加入逃れの疑いのある事業所は約40万件に及ぶといいます。