「終身雇用難しい」トヨタ社長発言にお膝元・豊田市の反応は
のイメージとは逆方向とも思える発言。名古屋市から車で1時間ほどの距離にある、トヨタのお膝元・愛知県豊田市にもショックを与えている。
夫が工場勤務をしているという、30代後半の女性が話す。
「もともとは挙母(ころも)市でしたが、昭和34年、トヨタの名を冠した市名に変更されたそうです。トヨタに勤める夫とは、トヨタ系のホテルで挙式をして、トヨタ記念病院で子どもを出産して、いまも毎日、トヨタの生協で買い物をしています。市民の多くはトヨタと共に生きてきたし、トヨタの一員であることに誇りを持っています。だから、今回の社長の発言には、心にさざ波が立っています……」
トヨタ創立3年目の昭和14年から60年もトヨタに勤務し、次男、孫もトヨタで働いているという板倉鉦二さん(95)は、機械油にまみれた創業者の豊田喜一郎さんの姿を思い浮かべ、静かに語った。
「昼休みのサイレンがなって工長が『飯だ、早くしろ!』っていうと、喜一郎さんが『おう』と言って、ピットから出てきてね。
社長からは『お前たち工員は、トヨタの旗本だから、しっかり中心になって担っていくんだぞ』と、東洋一の工場にしようとハッパをかけられました。