2019年6月28日 11:00
宇都宮殺人託児所事件 録音されていた“虐待通報放置”の自白
「1度目は5月27日、トイズに預けられた男児の人差し指の爪が剥がされていたというもの。さらに翌日には職員の関係者を名乗る人物から《職員を減らしているので、子供を毛布でグルグル巻きにして、ひもで縛って動けないようにしている》と、具体的に指摘があったのです」(Aさん)
この2度にわたる虐待通報があったにも関わらず、宇都宮市が行ったのは、わずか30分の立入り調査のみ。それも施設に対して、事前に通告してから実施したものだった。
「そのときに抜き打ちで入念な立入り調査をし、そして継続的な調査が行われ、施設の実態が明らかになっていれば、愛美利を預け続けることはなかったでしょう。娘は市のずさんな対応のために殺されたのです」(Aさん)
「最近も虐待通報がありながら児童相談所が手をこまねいていたり、適切な対応をしなかったりで、犠牲になる子供たちが後を絶ちません。愛美利のケースもその典型例だと思います」(B子さん)
愛美利ちゃんが犠牲になった後も、託児室トイズは自分たちの罪を認めず、その死の真相を隠し続けていた。また保育課もトイズに関する虐待通報があったことを明かそうとはしなかったのだ。結局、AさんとB子さんが、事前に虐待通報があったことを知ったのは愛美利ちゃんの死去から3カ月後。