2019年9月23日 06:00
板尾創路、父親を演じる「料理ができる男の人に憧れます」
ある日、東京に住む、娘(松本穂香)が帰省すると、父親が亡き母親の格好で生活していた。そして居候の男性と家族になると言いだして――。映画『おいしい家族』(9月20日公開)は、少しとっぴな状況ながらも、父親・青治を演じる板尾創路(56)の圧倒的な存在感に見入ってしまう。温かくて不思議な作品だ。
「青治は人が好きなんだろうなと思いましたね。ジェンダー的なことや性別を超えて、人との関わりが好きなんだろうと思って演じていました。そこに愛情がちゃんとあれば、常識にこだわらない人たちがいる世界なので、人間として普通に演じていけばいいのかなって。いわゆる役作りみたいなことはしていないですね」(板尾・以下同)
それ以外にも青治の息子は外国人と結婚したり、自分の性に悩む少年が登場したり……と、最近よくいわれる、多様性を体現している人たちが描かれていく。
「僕もどちらかというと国籍とか、男が男を、女が女を好きになったりとか、別になんでもいいんじゃないかなと思うタイプなので違和感はありませんでした。周りにこういう人たちがいますし」
常識にとらわれない登場人物たちが肝であるのは当然なのだが、タイトルにあるとおり、料理や食べることも重要な役割を果たしている。