長野智子、不妊治療で子供ができなかったからやれること
「先週、ヨルダンから帰国したばかりなんです。終わりの見えない内戦が続くシリアでは多くの難民が安全を求めて国境を越え、ヨルダンの難民キャンプで生活しています。その多くは子どもたちです。私が訪れた難民キャンプでは100%電気が供給されるなど、ライフラインは改善されていますが、恵まれない状況に変わりありません」
真っすぐな瞳で語るのは、報道キャスター・長野智子さん(56)だ。世界の難題の最前線で飛び回っている。凛と立つ姿勢に、彼女の仕事の充実ぶりがうかがえた。
現在、『サンデーステーション』(テレビ朝日系)の報道キャスターに加えネットニュースサイトの「ハフポスト日本版」編集主幹。並行して国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所の日本における公式支援窓口)の報道ディレクターとしての活動にも心血を注いでいる。
「’00年に鳥越俊太郎さんの『ザ・スクープ』(テレビ朝日系)に参加した私は、9.11後のパレスチナに飛びました。その後も各地の難民キャンプを取材して、痛感したんです。難民、特に子どもたちを支援することは、彼らのコミュニティの未来を救うことであり、いま世界が直面している問題を根本から解決することにもつながるのではないかと。