2021年1月1日 11:00
美輪明宏 コロナがくれた「人や当たり前に感謝するきっかけ」
(撮影:御堂義乘)
「今の状況は戦時下とよく似ています」……夏に行ったインタビューでも、そう語っていた美輪明宏さん(85)。第3波が猛威を振るい、相変わらず収束が見えないコロナ禍のなか迎える新年を、私たちはどう生きればいいのだろう?美輪さんからの新しい1年に歩み出す希望の提言ーー。
’20年は、世界中が新型コロナウイルスに翻弄され続ける1年となりました。
ここにきて国内では東京、大阪、北海道、兵庫など各地で、一日での新規感染者数が過去最多を記録するなど、第3波の猛威は、すでに第1波、第2波を超える危険な状態だと感じております。
コロナによって、社会は一気に激変しました。
それまでは、仕事があること、買い物をすること、食事や旅行に行くことなど、皆さん日常生活の一部として、当たり前のように過ごされていたと思います。
毎日ご飯を食べること1つ取っても、それほど深く考えることはなかったのではないでしょうか。
私たちがご飯を食べるまでの過程には、大勢の人たちが関わっています。
まず生産者。そこでお米や野菜などが作られるわけです。そして収穫された農産物を運搬する人や仲卸人。さらにその先には店舗で商品を販売する人たちがいます。