2021年3月4日 11:00
生き返らせてよ 大杉漣さんが“最後の映画”で語っていた約束
北海道・室蘭の語源のひとつともいわれています。
実際、この映画は全編室蘭市で撮影しています。大杉さんはバイプレーヤーとして大忙しでしたが、それでも合間を縫って3日間のロケに参加してくれたんです」
漣さんについて「気遣いの人でした」と振り返った坪川さん。こんな撮影秘話も語ってくれた。
■「おお、生き返ったか!」とうれしそうに……
「タイトなスケジュールだったこともあり、撮影現場はとても混乱していました。それでも漣さんは『監督がやろうとしていることは全部やるから。何でも言ってね』と声をかけてくれて。その言葉が本当にありがたかったです。
漣さんは、誰にでも分け隔てなく気さくに接してくれる方でした。現場近くにある喫茶店のママが漣さんのファンで、サインをお願いしたそうです。そしたら『もちろん!』と快諾。お店には画用紙しかなかったのですが、漣さんは嫌な顔一つせずサインしたそうです。しかも翌朝になると漣さんは『書き直したよ!』と言って、再びそのお店に出向いたんです。色紙を自分で買って、改めてサインもしていたと聞きました」
同作で初タッグを組んだ大杉さんと坪川さん。以降、大杉さんが亡くなるまで交流は続いた。