2021年9月9日 06:00
江川紹子さん「菅首相を追い込んだ首相会見の“更問い”禁止の自縛ルール」
フリーランスの江川さんは抽選を経ないと首相会見に参加できない(写真:時事通信)
9月3日、これまでの発言から一転、自民党総裁選からの“撤退”を決めた菅義偉首相(72)。背景にあるのは20%台という低い内閣支持率だ。
ここまで国民からの支持を失った一因は「菅さんの“対話力”の低さにある」と話すのは、ジャーナリストの江川紹子さん(63)。
「菅さんの印象を一言で言えば『聞きたい内容が伝わってこない、誠意がない』というもの。歴代首相より会見の機会は明らかに多かったのですが……」
ネットをのぞけば、《原稿、棒読みじゃん》《質問にまったく答えていない》など、首相への落胆の声ばかり。
「菅さんには、カメラの向こうに国民がいるという意識が希薄なんだと思います。目の前の記者とやりとりだけすればいい、官僚が用意した公式答弁さえすればいい、と対話にならないんです」
質問に正面から答えてこなかった菅首相。結果として、国民にそっぽを向かれることになったのだが、これが許されてきたのは、会見の方式に問題があるという。
首相会見の主催者は、大手メディアが中心に組織している記者クラブのひとつ「内閣記者会」だ。