2021年9月13日 11:00
教師からの性暴力を顔出しで訴え…「どうか被害者を責めないで」
19年2月、教師Aと札幌市を相手取り、約3千万円の損害賠償を求めて提訴。こうした裁判では珍しく、自身のプライバシーをさらけ出す覚悟も決めていた。
「これまで友人や、いわゆる知識人と呼ばれる人にも相談しましたが、9割が『なんでいまさら昔のことを』という対応でした。私自身は、自分は絶対に悪くないという確固とした思いがありましたから、実名・顔出しなら本気で聞いてもらえるのではないかと、迷いはなかったです」
8月の一審の東京地裁では、音声データなども提出したが、不法行為から20年が経過して、民法上の損害賠償請求権が認められる期間が過ぎているとの判断で、訴えを退けられる。
「一審では、こんなに長い時間が経過してからPTSDになることが本当にあるのかと。また、大学生だった私には性行為の意味を理解できていたはずなど加害者の言い分ばかりを聞き、“石田はおかしい人”と見ているかなり偏った判決で、非常に傷つきました」
このまま、また被害者である自分の言い分はまともに聞いてもらえないのかと、半ば諦めとともに迎えた20年12月の東京高裁での二審。控訴は棄却となったが、ついに判決のなかでかつての教師Aによる性暴力行為が認められた。