2021年12月18日 06:00
『地球の歩き方』40年編集者の“作り方”伝説「中国に自由旅行がなかった頃…」
図鑑シリーズでは「奇岩」と「祝祭」を制作。『地球の歩き方』に40年携わる伊藤伸平さん
海外旅行に行ったことのある人なら、必ず一度はお世話になったであろう『地球の歩き方』。1979年9月の創刊から42年続く、旅行ガイドブックの代名詞的存在だ。
コロナ禍で旅行がままならない逆風の最中だが、新たに発売した“家で読んで楽しめる”「旅の図鑑」シリーズが話題になり続々と重版するなど、老舗の強さを発揮している。
『地球の歩き方』の人気が衰えない秘密はなんなのか。編集室に尋ねてみると、創刊間もない頃から執筆を続けるレジェンドの存在を耳にした。40年以上もの間、同じ本を作り続けるなんて並大抵ではない。
そこで、“家で読んで楽しめる”「旅の伝説」について、お話を伺うことにした。
インタビューに応じて頂いたのは、数多のシリーズ初版を手がけてきた伊藤伸平さん。編集室の黎明期から聞かせてくれた。
■「出会ったばかりで1万円をポンと…」
「『地球の歩き方』は、学生向け個人旅行ツアー参加者に、先にツアーに参加した“旅の先輩”から発信された、情報集がもとになって誕生しました。
今では学研プラスの傘下にある『地球の歩き方』ですが、もともとはダイヤモンド社が刊行していたシリーズ。