2021年12月31日 11:00
「娘を捨てたことをずっと後悔されていた」美輪明宏偲ぶ瀬戸内寂聴さん
寂聴さんが東北で行った説法におじゃまして、一緒にお話をさせていただいたこともあります。
二人で長崎、東京でも講演会をやりました。同じ反戦派であるということだけではなく、思想観や価値観など、多岐にわたって考え方が似ているので「双子じゃないか」って言い合ったほどです。
寂聴さんは25歳のときに、3歳の娘と夫を捨てました。そして、夫の教え子だった若い青年と駆け落ちをしました。後に娘さんとは仲直りをされましたが、寂聴さんはあの年になられても、ずっと「後悔している」と、罪の意識を持ち続けておられました。
私には「人助けは罪滅ぼし」だと、おっしゃっていました。
寂聴さんも愛を貫き通した人でした。
罪滅ぼしだと思って、人々を恭敬し、各地で説法を行い、身の上相談をなさってこられた。ご自身がいろんな経験をされてこられたから、他人の気持ちもわかったのだと思います。晩年、安全保障関連法案に反対するために、国会前に抗議に行かれたこともありました。
“気骨のある烈女がまた一人いなくなった”ーー。そういう寂寥感が大きいです。
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