上島竜兵さん“信じる笑いの道を進め”有吉ら後輩に泣いて伝えた師匠・志村さんの教え
前出の演芸関係者が続ける。
「そんなとき、友人のプロレスラー・川田利明さんから電話があり、“志村さんと一緒に飲んでいるからどうか”と。面識がなかった上島さんは『明朝早いから……』と断るも、志村さんが『俺も早いんだ。来いよ』と言われて初めて麻布十番の飲み屋で会ったといいます」
志村さんは、上島が抱える不安を言い当て、こう告げた。
「お前ら、最近ネタやってねえだろう。飛ばされたり、熱い、痛いとか、そんなのばっかりやっていて。じゃあ『バカ殿』のネタづくりやらせてやろうか」
その3日後には『バカ殿』の仕事が入っていたという。上島さんは「『バカ殿』で40代を突っ走れたようなもんですよ」と感謝の言葉を口にしている。
志村さんの恩を返さんとばかりに、上島さんは動き出した。
《40代に入ってからかな。吉本の芸人なんかだと、番組が終わった後に「飯でも食いにいこうか」というノリがあるじゃないですか。そんなノリが東京の芸人にはないから、「毎週水曜、ラジオで生放送やってるから、ヒマな奴は遊びに来ない?ギャラ出ないけど、終わったら居酒屋でご馳走するから」と言ったら、まだヒマだった有吉弘行、土田晃之、劇団ひとりといった若手が来てくれるようになって》(『BIG tomorrow』’16年10月号)