2022年6月6日 16:00
売上台帳は手書きでOK…不正受給招くコロナ給付金の“ザルすぎる”審査の実態
9億円超の不正で指名手配中の谷口光弘容疑者(写真提供:警視庁)
新型コロナ対策の給付金を巡る詐欺事件の摘発が後を絶たない。5月30日にはおよそ9億6千万円をだまし取ったとして、三重県の家族3人が逮捕。また6月2日にはやはり2億円の不正受給の疑いで、なんと税金を預かる東京国税局の職員らが逮捕された。
「税金を巡る事件として、現代史に残る大きなものだと思います」と語るのは税金制度に詳しい中央大学法科大学院・酒井克彦教授。
「’20年にできた持続化給付金制度は、コロナの影響で売り上げが減少した中小企業や個人事業主に、それぞれ200万円と100万円を給付するもの。困っている人に早くお金を届ける必要があるということで、審査方法を簡素な仕組みにしました」(酒井教授)
スピードが重要なのはわかるが、審査があまりにザルすぎた。実際に持続化給付金を申請したアプリ開発会社社長が話す。
「事業の売り上げが前年同月比で50%以上減っていれば給付金が下りる仕組みです。
売上げ台帳は手書きでも申請可能なので、その気になれば不正もできるでしょう。
’19年の確定申告書類の控えほか銀行通帳も必要ですが、通帳で必要なのは表紙だけで、取引履歴の確認はありませんでした」