2023年1月1日 06:00
美輪明宏に学ぶ、清く美しく生きるコツ「人付き合いは“腹六分”で」
自分の心の川を磨かないと、いつまでたっても汚れて濁った川のままです。
自分自身の心の川がきれいでなければ、いくらほかの人のきれいな川に頼っても、結局はゴミのような川であることに変わりはないのです。自分のことを省みず、ただきれいな水を欲するのは間違いだということです。
同時に忘れてはならないのが「親しき仲にも礼儀あり」ということ。これは人間社会の中で生きていくうえで、いちばん基本となるものです。どれだけ親しい間柄であっても、礼儀は不可欠。それにはまず、言葉遣いが大切です。たとえば、昔の会社では、上司が部下のことを“君(キミ)”と言っていました。
“キミ”というのは“君子”の君でもあり、相手の人格を認めている言葉なのです。“貴方(あなた)”という意味での“貴君”が“君”になって、“君、こうしてくれたまえ”と、貴族が使うような言葉で部下に指示を与える。部下は上司が自分の人格をきちんと認めて、敬意を表してくれていると、言葉遣いから感じることができたのです。ところが、今は職場だけでなく、家庭や学校でもひどい言葉遣いが日常的に飛び交っています。“おまえ”“てめえ”“これやれ”“あれやれ”……。言われた側は、礼儀どころか敵意を感じて、“なんだこのやろう”と思うでしょう。