2022年12月31日 15:50
【虐待を食い止める その4】保育所で、家庭でーー心身に傷を負った子どもが、虐待のトラウマに苛まれない明日を
静岡県裾野市の「さくら保育園」で起きた園児虐待で3名の保育士が逮捕された暴行事件を皮切りに、各地の保育園で続々と不適切保育が発覚。あまりに酷い虐待行為が大きな反響を呼び、社会問題となっている。だが、虐待で書類送検されたり、逮捕される保育士がいる一方、大多数は責任感の強い保育士であり、逆に、家庭で虐待を受けている子どもやネグレクトされている子どもに休日返上で対応する者もいるのが事実。結局のところ、最大の被害者は子どもたちなのだ。
豊富な取材実績と現場感覚をもとに話題作を次々と発表。『誰かたすけて~止まらない児童虐待』(リーダーズノート)『ルポ居所不明児童――消えた子どもたち』(中央公論新社)など子どもの虐待問題の著作も多い、ジャーナリストの石川結貴氏はこう話す。
「家庭や保育の現場で、一定期間に渡り虐待を受けたお子さんは人への不信感を持ってしまったり、低い自己肯定感に苦しむようになってしまう可能性があります。ただ、成長過程で、虐待やいじめ、貧困や差別により理不尽な扱いを受けるお子さんは一定数存在しますが、だからといってそういう子どもの一生が台無しになってしまうと決めつけてはいけないと思います」