くらし情報『神宮外苑再開発は東京五輪の“負の遺物”環境より商業エリアやビル賃料で企業利益優先か』

2023年4月11日 06:00

神宮外苑再開発は東京五輪の“負の遺物”環境より商業エリアやビル賃料で企業利益優先か

そう語るのは、著名な経済思想家の斎藤幸平さん(東京大学准教授)。

なぜ、こんなことになっているのか。

「(著書の)『人新世の「資本論」』で示したように、すでに“資本主義”が行き詰まってしまったからです。さまざまなモノが供給しつくされた現代において、手っ取り早く儲けるためには、今あるものを大切に使うより壊して新しく造ったほうが早いわけです。つまり神宮外苑のように、市民が無料で憩える場所――つまり“コモン”(社会の共有財産)を壊して、高級テニスクラブや商業エリアをつくる。高層ビルを建てて賃料で儲ける。そういったことをしないと利益が得られなくなっているのです」

しかしこれでは、まったなしの“気候変動”をさらに加速させてしまう。

「気温がどんどん上がっていくなかで、それを食い止めるには、とにかく二酸化炭素の排出を抑えないといけません。
しかし、コンクリートや鉄鋼などの建設資材は、二酸化炭素を多く排出します。また、高層ビルは消費電力が非常に高い。こういうものを、わずか20?30年でスクラップ&ビルドして経済成長しようという日本のやり方は、もう改めなければいけません。また、ヒートアイランド現象が深刻な東京にとって、外苑の杜は非常に貴重なのです」

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