4年ぶりのエルニーニョ現象で家計圧迫、景気停滞の懸念も
異常気象によって農作物が不作になると、野菜や果物などの価格は上がることに(写真:時事通信)
気象庁は6月9日、世界的に異常気象をもたらす要因となるエルニーニョ現象が発生したと発表。4年ぶりのエルニーニョ現象は、自然災害以外の面でも私たちの生活に大きな影響を与えかねない。
「異常気象になれば、農作物が不作となり、野菜や果物などの価格が上がります。世界的な穀物価格の高騰などが起こった場合は、家計を圧迫する一因になることが予想されます」
こう語るのは、第一生命経済研究所の首席エコノミスト・永濱利廣さん。
世界各地で異常気象を引き起こすエルニーニョ現象は、干ばつや水害が原因で収穫量が減ってしまうという警戒感を招く。そのため穀物の先物価格が上昇する傾向があるという。
「今回もパンや麺類、乳製品のほか、肉や大豆製品、調味料類などの値上げを招く可能性があります。そうなれば、現在の値上げラッシュに追い打ちをかけるように、食費などの負担がのしかかってくるでしょう」(永濱さん、以下同)
食糧を海外からの輸入に頼っている日本は、世界で起きたさまざまな出来事の影響をどうしても受けやすい。
これまでエルニーニョ現象の影響で、最も家計への負担が大きかったのは’93年だった。