【追悼’23】谷村新司さんが語っていた、歌に込めた思い「大陸との架け橋に」
「ヤバイな〜と思いましたよね。もう勘違いしそうになるんですよね。偉いって思いそうになるっていうか……そういうのって、いちばん不細工だから。僕たちはステージを降りたら、もうすごく普通っていうのがカッコいいと思っていましたから」
「(売上など)数字のことは考えません。ただ、日本から世界に向かってステップしていくときに、『やっぱり1回、日本で一番になりたいね』っていうのがあったから、ナンバーワンを目指した時期はありましたね。ところが、武道館を1週間満員にとかいう記録をずっと作っていたときに何かすごく『これは虚しい』と」
「数字の争いって何も心は満たされないなぁって思って。そのころから、ナンバーワンじゃなくてオンリーワンだなって思いはじめたんですよね」
「オンリーワンの意識をもっていれば、地球上の全部のステージでできると思い込んでいますから」
そうして、ソロ活動では海外、とくにアジアで精力的にコンサートを行っていた。なぜアジアなのか聞かれることが多かったというが、
「『だって僕たちアジア人じゃないですか』って答えるんですけどね(笑)。
ちゃんと大陸に橋を架けることができるといいなって思っています」