2018年3月14日 16:00
ヒートショックはストーブで防止…家庭内事故防ぐ生活の知恵
厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになる。
「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」
こう語るのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。そこで、これまでに起きた事故の事例と、施すべき対策についてみていこうーー。
■ヒートショックはストーブで防げる
愛知県春日井市「田島クリニック」の院長で医学博士の田島正孝さんは、来院診療のほか、おもに家庭内(病院以外)で死亡した人の検視を、警察署の依頼で10年以上にわたって行ってきた。