くらし情報『“今の時代に生きる能”を目指す銕仙会 新作能『長崎の聖母』『ヤコブの井戸』開幕』

2021年8月4日 07:00

“今の時代に生きる能”を目指す銕仙会 新作能『長崎の聖母』『ヤコブの井戸』開幕

銕仙会 新作能『長崎の聖母』『ヤコブの井戸』チラシ


室町時代(14世紀)に誕生して以降、独自の様式でその命脈を保ってきた日本の代表的古典芸能である能。しかし現在、多くの人が観ているとは言い難い状況から、銕仙会(てっせんかい)が新たな試みを取り入れた新作能『長崎の聖母』と『ヤコブの井戸』を8月4日(水)より座・高円寺1にて上演する。銕仙会は、従来の作品の演出的見直しや現代に生きる演能活動を続けるほか、他の芸術分野とのコラボレーション作品や現代演劇、映画などにも参加するなど意欲的に活動する演能団体。今回は現代の観客に「能は自分の生きる社会を表現する芸術」と感じてもらうため〝今の時代に生きる能″を目指す。

『長崎の聖母』(多田富雄作)は、巡礼者が長崎・浦上天主堂でひとりの老女と出会うことから始まる。老女は1945年8月9日に火の海となった浦上での被爆の有様を語り、夕闇に消えていき・・・・・・。「原爆をテーマにした能を」という長崎市民の求めに応じて創作され、2005年に浦上天主堂で初演。原爆投下を描くことで、近代科学技術が産み落とした核兵器の悲惨を訴える作品だ。
通常、曲中の聖歌は地域の合唱団に依頼しているが、今回はメゾソプラノ歌手・波多野睦美を迎えて上演される。

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