くらし情報『四世市川左團次追善『毛抜』ほか上演「團菊祭五月大歌舞伎」開幕レポート』

2024年5月7日 12:00

四世市川左團次追善『毛抜』ほか上演「團菊祭五月大歌舞伎」開幕レポート

茶道の作法で米を炊く「飯炊(ままた)き」に今回初めて挑む菊之助は「鶴千代と千松に対してそれくらい母性を出せるかが課題だと思っています」と公演前にコメント。母の言いつけを守り鶴千代の身代わりとなった健気な千松の姿と、我が子の亡骸を前にして包み込むような母性を政岡が見せ、客席は温かい空気に包まれた。床下では、鶴千代を守る荒獅子男之助(市川右團次)の豪快さと、仁木弾正(市川團十郎)の妖しさの対比が弾正の凄味を増幅させ、客席を圧倒した。

続いては、『四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)』。盗賊を主人公にした「白浪物」を多く著した河竹黙阿弥の晩年作で、明治18(1885)年に五世尾上菊五郎の富蔵で初演。黙阿弥が実際の牢内の様子や囚人たちの姿とそのしきたりなどを舞台上に再現させ、好評を博した。今月は、祖父である二世松緑が上演を重ね、当代菊五郎に師事した尾上松緑が初役で富蔵を勤めることが話題となる。

四谷見附で屋台のおでん屋を営む富蔵(尾上松緑)は、以前勤めていた屋敷の恩義ある若旦那の藤岡藤十郎(中村梅玉)と偶然再会し、江戸城の御金蔵破りを持ち掛ける。
松緑は富蔵について「物の道理をわきまえた肚の座った人物」

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