2022年4月15日 12:00
知られざるふたつの民衆版画運動の全貌に迫る『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』4月23日より開催
戦後日本で展開した「戦後版画運動」と「教育版画運動」のふたつの民衆版画運動を紹介し、これまであまり知られることのなかった版画史の一側面に光を当てる『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』が、4月23日(土)より町田市立国際版画美術館にて開催される。
社会運動を版画で伝え、アマチュアに版画を広めた「戦後版画運動」と、戦後版画運動から派生し、 全国の小中学校の教員が学校教育を通して版画を広めた「教育版画運動」。どちらも民主主義への参加を呼びかける民衆文化運動が活発だった1940年代後半から50年代に誕生。当時の時代精神を背景に、版画を作ることで誰もが表現の主体となることを目指した。
同展では、社会問題や平和運動と結びついた作品や全国約35都道府県約80冊の版画集、青森の子供たちが作った40mに及ぶ版画絵巻など、これまで広く紹介されて来なかったものの未来に残すべき1950年代〜90年代の力作、約400点と豊富な資料を展示。
知られざる版画運動の歩みを紹介し、戦後の開発と発展のかたわらにある「もうひとつの日本」を浮かびあがらせていく。
鈴木賢二《署名》1960年、町田市立国際版画美術館蔵
滝平二郎『裸の王様』より、1951年、町田市立国際版画美術館蔵 (C)