2022年4月12日 07:00
限りある命を生きることの尊さ丁寧に描く 『銀河鉄道999 THE MUSICAL』上演中
停車する星々での出会いや経験を経て鉄郎は成長し、そして世界の真実が明らかになっていく……。
クレア役:梅田彩佳
左)星野鉄郎役:中川晃教、右)キャプテン・ハーロック役:三浦涼介
機械伯爵役:佐藤流司
リューズ役:矢沢洋子
左)星野鉄郎役:中川晃教、右)クイーン・エメラルダス役:北翔海莉
蒸気機関車の外見を持つ999号での宇宙の旅、出会いと別れ、少年の成長といったノスタルジックなモチーフの中に、永遠の命(機械の体)と限りある命(人間)を対比させ、限りある命を生きることの尊さを描く物語。脚本の高橋亜子、演出の小山ゆうなはそのメッセージ性を丁寧に深掘りする。例えば宇宙海賊クイーン・エメラルダスとの遭遇や、機械伯爵の要塞・時間城からの脱出など、いくらでも派手に見せることもできただろう。しかしそれよりも、そこに挑むキャラクターの決意や、経験を経ての葛藤など、前後の心情描写に焦点を置く。そのことで、ある種観客側も“このキャラクターはこういったもの”と知ったつもりになっていた登場人物たちが生き生きと息づき、新鮮な感動を与えてくれる。
もちろんそれは演じる俳優たちの、実力に裏打ちされた演技力があってこそでもある。