くらし情報『キリアン・マーフィーが原爆の父を熱演 圧倒的な臨場感で惹き込まれる『オッペンハイマー』』

2024年3月19日 18:00

キリアン・マーフィーが原爆の父を熱演 圧倒的な臨場感で惹き込まれる『オッペンハイマー』

イラストレーション:高松啓二


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1945年7月16日、トリニティ実験と呼ばれる史上初の原爆実験が行われた。指揮したオッペンハイマーは「我は死なり、世界の破壊者なり」とヒンドゥー教の一説をつぶやいたという。

本作はオッペンハイマーがいかにして原爆を造り、後悔をすることになったかを描く。物語は大学時代、マンハッタン計画のリーダーとなり原爆実験、原爆投下後の後悔と原子力委員会ストローズとの対立からなっている。特に原爆を開発しトリニティ実験にたどり着くまでは、フランケンシュタイン博士が怪物を造るのと重なる。工兵隊指揮官グローブス准将の陸軍サービス部隊(イラスト参照)が計画の管理をしているのは興味深い。後半は水爆を推進するストローズの陰謀で核開発反対のオッペンハイマーは失脚する。


実録ものとして見応えがあるが、膨大な登場人物が現れ、背景がわからないと理解するのは難しい。さらにクリストファー・ノーラン監督は時間軸を入れ替え、視点の変化でモノクロになったりと変則的な演出もしている。それでも、圧倒的な臨場感で惹き込まれるのは知的スペクタクル映画と言うべきか。

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