2024年3月14日 11:30
川島秀明展『Stream』3月23日から 人生の流れを感じる、新たな展開の新作ペインティングを公開
3月23日(土)から小山登美夫ギャラリー六本木で、川島秀明展『Stream』が開かれる。画家としてスタートしてから20年、小山登美夫ギャラリーでの展覧会が7回目、という川島秀明。同展で発表する新作のペインティングは、これまでの川島作品とは一味も二味も違う。
そんな作品の変化は、川島自身の心境の変化という流れによるものだ。これまで強い自意識と向き合いながら、自画像のような顔や表情を描いてきた川島。近年のコロナ禍、肉親や親しいアーティストの死をきっかけに、1969年生まれの川島は「自らの死」を意識するようになった。同時に、友人家族の子どもと交流を持ったことで、人の存在は生命の循環であることに気付いた、という。こうした流れのような意識から、鴨長明の「方丈記」冒頭の一節を引用して、展覧会タイトル『Stream』と名付けられている。
そんな展覧会の名前と同じタイトルを持つ作品《Stream》は、友人家族とピクニックした際に、子供の父親が撮影した写真を元に描いた。子供が臨む川の彼岸と此岸、その水面が子どもの前途を暗示しているように見えた川島が、そのようすを陰から見守っているようなイメージとなっている。