2024年4月26日 12:00
仲道郁代が描き出す、ベートーヴェンとシューベルトの理想と夢
仲道郁代は、高い技術と美しい音色、哲学的思考をもって楽曲に向かい、常に高みに向かって挑戦し続けるピアニストである。そんな彼女が自身の演奏活動40周年と、特に敬愛し情熱をもって取り組んできた作曲家であるベートーヴェンの没後200年が重なる2027年に向けて行っている「仲道郁代 The Road to 2027リサイタル・シリーズ」が6月2日(日)に開催される。
「今回は、音の響きの中に“さめざめと泣き続けたくなるような夢”を聴いているようなプログラムです。タイトルにある“夢”というのは、理想かもしれませんし、どこか永遠の世界や焦がれてやまない故郷、あるいは永遠の世界かもしれません。“何処へ”とは、場所を指すかもしれませんし、探し求めるという行為とも言えます。二つの言葉を照らし合わせながら今回の楽曲をお聴きいただくことで、何か見えてくるものがあると思います」
「The Road to 2027」には春と秋のシリーズがあり、春はベートーヴェンのピアノ・ソナタを核としたプログラム。今回は第27番に第13番「幻想曲風」、第14番「月光」を並べ、そこにシューベルトの第18番「幻想」を重ねることで、ベートーヴェンとシューベルトのソナタに込められた哲学的意味を探求していく。