堤真一「自由で、なんでもできちゃう」『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロレポート
、ウェンディ:黒木華(右から2番目)、フック:堤真一(右)撮影:細野晋司
その中で、ウェンディやその母ミセス・ダーリング、そしてティンク(ティンカーベル/富田望生)やタイガー・リリー(山崎紘菜)たちそれぞれが、囚われていたものからもがきながら足を踏み出していく様は印象的。また、“海賊”など「男らしさ」の呪いに抗う男性の姿も描かれており、「社会」というものを改めて見つめるきっかけとなる。
『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロより、左からフック:堤真一ピーターパン:中島裕翔撮影:細野晋司
空を飛ぶ演出や、ティンクの表現、影(シャドウ)の面白さ、ピーターやフックの殺陣、フックの船のカッコよさ(!)など、「『ピーターパン』で観たかったもの」でもしっかりと楽しませてくれて、けれど、例えばピーターを“主人公”、ウェンディを“ヒロイン”、フックを“敵”、フックの仲間を“海賊”などの記号で見ては気付けなかったようなことにも気付かせてくれる作品。
『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロより、ウェンディ:黒木華撮影:細野晋司
全体の流れは同じでも、劇場を出た後に心に残ることは、本作ならではのものになるのではないかと思う。