2023年5月2日 17:00
「監督、俳優の“本気”が映っている作品」中島歩が語る映画『さいはて』
『海辺の生と死』『アレノ』など、街に生きる人々の生と性を独自の視線で捉えてきた越川道夫監督の最新作『さいはて』。夜の街で出会った虚ろな女性と秘密を抱える塾講師の幻想的かつノスタルジックな逃避行を描いた本作で、人生に絶望した40歳の男性・トウドウを演じた中島歩が、撮影の思い出や主人公のモモを演じた北澤響の印象、越川監督との映画作りなどを語ったインタビューが届いた。
「現場で生まれるインスピレーションを大切にしています」
『さいはて』
――トウドウのキャラクターにはどのような印象を受けましたか?
中島かなり複雑な過去のある人間なので、演じるのはなかなか難しい役だと思いました。優しい人というよりも、優しすぎちゃった人という印象です。
――越川監督と役作りについてどのような話をしましたか?
中島どういう役にしようというよりも、どういう芝居をしていくのかを話し、共有していきました。現場で生まれるものを大切にして、北澤さんと僕の間で出てくるものを共有し、積み重ねていきました。
僕はどんな役であっても事前に固めるってことはあまりしません。「この人はどんなふうに伝えるんだろう」みたいなことを考え、どんな些細なことであっても現場で生まれるインスピレーションを大切にするようにしています。