2023年8月29日 11:00
「最初は躊躇ったけど......」 ミュージカル『生きる』脚本・高橋知伽江×ホリプロプロデューサー・梶山裕三対談
客層が広がった気がして、純粋に嬉しかったです。また、再演時は地方公演もあったんですけど、 それもすごく喜ばれて。いつまでも上演され続けてほしいと思う作品の一つです」とも語った。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
かなり笑えて、最後は感動の涙
近年、日本発のオリジナルミュージカルも増えてきた。高橋が「翻訳の場合、 私の能力が低いからかもしれませんが、絶対に訳せない文化的なものがあるんですよ。宗教や人種の問題など、『本当はこうだけども』というもどかしさを常に持っていたんです。でもこれが日本語になるとそれが全然ない。『生きる』は歌詞の中に『漬物』なんて出てきますから」と話すと、梶山は「確かに翻訳ものを観ていて、途中で『あれ?』と思っても、『あちらではウケるんだろうな』などと思いながら観ていますものね。そういう違和感はない方がいい」と返す。
ミュージカル『生きる』2023年公演チラシ
また、梶山は「オリジナル作品自体が珍しくなくなり、これだけの人が目指すのだから、日本から世界に行く作品が出てもおかしくないなと勇気づけられます。同時に、30年後、50年後の世界でも通じるテーマ性を探さないと。
この先もまた見たいものを生み出したいとずっと思っています」