くらし情報『二世中村吉右衛門三回忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」上演中』

2023年9月6日 12:00

二世中村吉右衛門三回忌追善「秀山祭九月大歌舞伎」上演中

幕が開くと、都にある吉田神社の近く。梅王丸と桜丸は主人の無念を晴らそうと、敵である時平が乗る牛車の行く手を阻むと松王丸が止めに入るが……。今回演じる松王丸を、初演時に二世吉右衛門から稽古を受けたと話す又五郎は、「梅王と桜丸を押さえつける大きさがある」と語った通り、松王丸の大きさを見せる。歌昇の梅王丸の勇壮な荒事の演技と、種之助の桜丸の和事味ある柔らかな演技の対比も面白く、藤原時平を勤める中村歌六もどっしりとした姿で作品に奥行きを加える。梅王丸の豪快な飛び六方、三兄弟が揃って見せる錦絵から飛び出してきたかのような様々な見得など、歌舞伎の醍醐味を凝縮したかのようなひと時となった。

夜の部ふたつ目の演目は『連獅子(れんじし)』。獅子の親子の厳しくも温かい情愛が描かれる、能の「石橋」をもとにした長唄の舞踊だ。今回は、尾上菊之助が狂言師右近後に親獅子の精を、尾上丑之助が初役で狂言師左近後に仔獅子の精を勤め、菊之助と丑之助の親子による、初めての『連獅子』の上演となる。
文殊菩薩が住むという霊地清涼山。その麓の石橋に、菊之助勤める狂言師右近と、丑之助勤める狂言師左近が手獅子を携えて現れる。親獅子が仔獅子を谷底へと蹴落とし、自力で這い上がってきた子だけを育てるという故事を丁寧な踊りで表現する様子に、観客は目が釘付けに。

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