2022年11月15日 12:00
現代最高のカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキーの来日公演が決定
さらにその会場が、もう十年以上まえ、私の初めての日本公演の舞台でもあった東京オペラシティだということも、まさに僥倖と思っています。世界屈指の見事な音響で、木の大聖堂と呼ぶにふさわしい最高のコンサートホールです。
この機会を祝うため、神話の登場⼈物にして音楽の化身でもあり、五世紀以上にわたって多くの作曲家の創作意欲を刺激し続けたオルフェーオを中心として、本物の小歌劇のような演目を練り上げました。モンテヴェルディとロッシの傑作とあわせて、日本のクラシック音楽ファンの方たちにぜひ聴いていただきたいと思ったのが、サルトーリオの『オルフェーオ』からの抜粋です。今まで不当なほどに演奏される機会が無かったにもかかわらず、たぐいまれな宝石の輝きをもつ壮麗な作品です。
私のエウリディーチェはソプラノのエメーケ・バラート。彼女は悲劇的オペラにおけるヒロインの素晴らしい歌い手で、これらの音楽の真価を余すことなく発揮させる表現力を万全に持っている人です。
エメーケとは何年も前から共演を重ねており、私たちの友情をかたちにしたヘンデルのアルバムはワーナーからリリースされ、同時にそのアルバムは私のオーケストラ指揮者として最初の公式な音盤となりました。