さらに、劇中ではダイナミックなアクションも披露している。
「今回、ブラジリアン柔術をやらせてもらって。今までやったことがなかったので大変でしたけど、僕がアクションを通じて表現したかったのは人間の泥臭さ。きっとポスタービジュアルを見ると、静かで美しくて儚い愛の物語なのかなとか想像される方が多いと思うし、実際、本編も静と動がすごくはっきりとしていて、動の部分を担っているのが蒼のアクションなのかなと。蒼が背負ってきた十字架を、泥臭いアクションを通じて表現したつもりなので、そのコントラストを楽しんでいただけたら」
大事なのは事前準備よりも、その場の空気を感じ取ること
おそらくスクリーンで蒼と出会った多くの観客が驚くはずだ。そこには、ステージでファンを魅了する「アイドル・山田涼介」はいない。『サイレントラブ』は、役ごとにまとう空気をガラリと変える「役者・山田涼介」の力量を改めて証明する作品となっている。
これだけ役を掴むには、撮影の前段階から入念なシミュレーションがあったようにも思えるが、山田自身は決して事前に役をつくりこむタイプではないと言う。
「自分でこうだろうなという固定概念をつけて行ってしまうと、それが現場で崩れたときにアタフタしてしまう。