くらし情報『伝説のスターの“魂”を救済する。バズ・ラーマン監督が語る映画『エルヴィス』』

2022年7月1日 12:00

伝説のスターの“魂”を救済する。バズ・ラーマン監督が語る映画『エルヴィス』

エルヴィスは誰もが憧れるパワフルな男に見えるが、実は誰よりも他人の哀しみに敏感で、自身の寂しさを解消できない男として描かれる。

「それこそが、この映画が描く最大のパラドックスです。彼は双子として生まれ、誕生直後に兄を失い、父が不渡小切手で刑務所にいた時期もあった。彼の心にはいつだって“穴”が空いているんです。音楽家として彼は偉大なのですが、同時にいつも不安を抱えているわけです。だから彼を支配しようとする人間が現れると、彼は簡単に操られてしまう」

映画の後半にラーマン監督が語る不安が描かれる。エルヴィスとはまた違った孤独を抱えた謎の男トム・パーカーは、“大佐”の愛称で知られるエルヴィスのマネージャーだが、彼は自身の利益のためにエルヴィスを利用し、ダマし、追いつめていく。ラーマン監督は映画全編に渡って、エルヴィスの生涯を客観的に描いたり、過剰にドラマティックに描くことなく、むしろ“ひとりの男の魂を救済する”視線で描いている。


「そうです! まさにその通りです! エルヴィスの心には穴が空いているので、誰もが救ってあげたくなるんです! 映画の後半で彼は悲しみの中で歌い、少年のような笑顔を見せるわけですが、それは誰もが思わず救いたくなるような笑顔なんです!」

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