2021年8月16日 19:30
Perfume、1年半ぶり有観客ライブで見せた勇気と歓び バックダンサーとの共演や未発表新曲も
が、そのステージには常に3人がいる。大がかりな可動性リフターも、ポップアップのような機構も、バーチャルとリアルの見分けがつかないギミックもなく、自分の意思と体で動くPerfumeがずっとステージにいる。貫かれていたのは、生身の3人のパフォーマンスに観客の視線を集めるという見せ方だ。デジタルと親和性の高いPerfumeだが、実はこれまでもその手法と対極にある人間くささにフォーカスしてきた。今回はさらに、よりヒューマンな部分に表現手法からも目を向けてみたのではないだろうか。
ミラーボールが象徴した応援と感謝
その象徴と感じたのが、中盤「マカロニ」からの流れだ。アイドル風の白いスタンド・マイクで歌う姿をセピア色のライトが照らし、その表情がレトロな雰囲気で映し出される。いつしか強い光が射し、ステージに3人のシルエットが伸び始めた。
光源は複雑に交差し、影は前にも後ろにも。やがて3人が去ってもその影だけが意思を持ったように残る。まるで影に支配された世界。黒子のELEVEN PLAYも加わり、声が奪われた世界で自らの存在を問うというまさにコロナ禍の現状が、声なきミュージカル風に描かれていく。
ステージの3方には黒いマントを着た3人が現れ、不穏な空気を撃破するようにソロダンス。