2022年10月13日 18:00
【ライブレポート】視線は世界 SiMがロックバンドとして極めて画期的なバーチャルプロダクションでの配信ライブ「SiM XR LiVE」を敢行
今後国内外のアーティストのライブ制作の新たな拠点としても機能しそうだ。
XR、バーチャルプロダクションシステムを使ったライブとはどういうものか。LEDヴィジョンに映像を投影する演出は、多くのライブやオンラインライブでもおなじみだが、このシステムではそこにバーチャルを融合してリアルタイムで仮想空間を構築していく。筆者はライブのゲネプロに立ち会わせてもらったが、目の前では床と背面がLEDヴィジョンのステージでSiMが演奏を繰り広げるなか、モニターに目をやるとそこには目の前の光景にはない空間の中でSiMが演奏をしており、頭が混乱してしまいそうだった。が、リアルなライブの醍醐味とはまた違った曲ごとに別世界に飛び込んでいくような幻惑的な体験は、SiMというバンドの持つ魅力そのもので面白い。
新たな試みであり“ライブ”であるゆえ、リハーサルは入念で、メンバーの立ち位置やカメラワーク、LEDの輝度など、細かな調整が重ねられた。MAH(Vo)、SHOW-HATE(Gt)、SIN(Ba)、GODRi(Ds)をとらえるのは7台ものカメラで、メンバーは曲ごとに動きの確認や、バーチャルとの融合でどうなるのかをチェックしながらリハーサルを進めていく。