2022年7月7日 18:00
『蜷川実花 瞬く光の庭』展示風景をレポート アール・デコ建築と“光彩色”の写真が織りなす唯一無二の空間
写真家、映画監督など多彩な表現活動を精力的に行っている蜷川実花。アール・デコ様式で装飾された東京都庭園美術館で、彼女の最新の写真と映像作品を展示する『蜷川実花 瞬く光の庭』が9月4日(日)まで開催されている。
同展で展示される写真作品は約80点。蜷川の写真といえばダークでビビッドな“極彩色”の印象が強いが、今回展示されている作品は、いずれも柔らかな光にあふれた“光彩色”の写真。コロナ禍に国内各地で撮影した約4万点の植物の写真のなかから厳選された写真は、春の花々の作品からはじまり、夏、秋、冬を経てまた春へと、季節をめぐるように配置されている。
各作品には個別の作品名やキャプションなどはつけられておらず、建築空間と写真との競演をひとつの作品として感じる構成。各部屋の意匠にあわせ、作品サイズや見せ方なども細やかにアレンジされており、写真とともに建物を楽しめるようになっている。
展示風景より小客室
展示風景より大客室のシャンデリアと
展示風景より姫宮寝室の家具と
東京都庭園美術館の本館はアール・デコの全盛期にフランスに滞在していた朝香宮夫妻の邸宅として1933年に竣工した建物で、随所に当時の様式が取り入れられている。