2024年5月13日 11:00
“全力”で瞬間を生きる柿澤ハムレット、満身創痍の闘いを目撃 彩の国シェイクスピア新シリーズ第1弾
(撮影:宮川舞子)
5月7日、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて開幕した『ハムレット』を皮切りに、“彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd”が始動。同劇場で芸術監督を務めた故・蜷川幸雄が1998年にスタートさせ、シェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指した“彩の国シェイクスピア・シリーズ”の新章にあたる。先のシリーズで残された5作を演出し、蜷川に代わって完結させた吉田鋼太郎が中心人物となり、その奥深さをもう一度伝えたいと彼自身が選んだ作品を、年1本を目安に上演。シェイクスピア演劇をより多くの人々に、気軽に楽しんでもらうことを目指すという。
吉田鋼太郎
特徴は、演出の吉田自ら上演台本も手掛ける点。“シェイクスピアオタク”である彼自身の作品愛や伝えたいテーマ、それらが如実に表れ、より理解しやすいシェイクスピア演劇になるのではと期待される。初日前日に行われたゲネプロ前の質疑応答で、今回の「ハムレット」の上演コンセプトを問われた吉田は、ある少年について語り始めた。「シェイクスピアにはとても大事にしていた、でも11歳で夭折した息子がいたんですが、その子の名前がハムネット。ハムネットとハムレット……そこには因果関係があリ、シェイクスピアは息子を想いつつ、この芝居を書いたのではないかと思いました。