2021年8月12日 12:00
『三人吉三』がハードボイルド現代劇に! KAAT『湊横濱荒狗挽歌』シライケイタ×玉城裕規インタビュー
撮影:源賀津己
KAAT神奈川芸術劇場において、2021年度メインシーズンの幕明けを飾る『湊横濱荒狗挽歌(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび)~新粧、三人吉三。(しんそう、さんにんきちさ)』。歴史や史実を題材にした作品に定評のある野木萌葱が脚本を手がけ、歌舞伎の白波物(=盗賊を主人公とした世話物の一種)で知られる『三人吉三』をモチーフにしたハードボイルドな現代劇が繰り広げられる。その野木とタッグを組む演出家は、自身の所属する劇団・温泉ドラゴンなどで骨太な世界観の作品づくりが話題を集めるシライケイタ。彼が、令和の港町・横浜に暮らす和尚吉三(玉城裕規)・お嬢吉三(岡本玲)・お坊吉三(森優作)の3人をどのように“調理”するかも見どころのひとつだ。今回はシライと、本作で和尚吉三の立ち位置に扮する柄沢純役の玉城に、台本を受け取る前の心境を尋ねた。
意味なんて一切ない、アウトローの「美学」を炸裂させる
──シライさんはこの企画をどのように受け止め、取り組もうと考えていらっしゃいますか?
シライ今年から新しくKAATの芸術監督になった長塚圭史さんに「新しい仲間を探しているんだ」とお誘いいただき、光栄でしたね。