くらし情報『これは夢か現か、安田章大扮する浮世絵師が舞台を駆け巡る“痛快ファンタジー時代活劇”『あのよこのよ』上演中』

2024年4月17日 17:00

これは夢か現か、安田章大扮する浮世絵師が舞台を駆け巡る“痛快ファンタジー時代活劇”『あのよこのよ』上演中

舞台『あのよこのよ』より (撮影:田中亜紀)

(撮影:田中亜紀)



安田章大主演、青木豪作・演出の舞台『あのよこのよ』が東京・渋谷のPARCO劇場で絶賛上演中だ。

幕末から明治へと移り変わる時代を背景に、安田扮する浮世絵師・刺爪秋斎(さしづめしゅうさい)が、権力に対する反骨心を抱きながら絵師としての生き方に迷い続けるなか、浮世の人々との出会いによって奇怪な事件に巻き込まれてゆく痛快ファンタジー時代活劇!?……とオモシロ要素がてんこ盛りの舞台で、5年ぶりの完全オリジナル作品だという青木の筆と采配が、劇の冒頭から冴えていた。


これは夢か現か、安田章大扮する浮世絵師が舞台を駆け巡る“痛快ファンタジー時代活劇”『あのよこのよ』上演中


新政府への批判を込めて描いた秋斎の風刺画の世界と、その絵を描いたことで邏卒(巡査の旧称)に捕まり、牢屋に入れられてしまう秋斎の現実世界、そのふたつが混濁していくオープニングに早くも興奮、軽妙な音楽に乗ってテンポよく転がる劇世界へと瞬時に誘われる。その後の展開でも度々この混濁に巻き込まれ、はたしてこれは夢か現か、まさしくあの世なのかこの世なのか、といった妄想のスリルと浮遊感がラストまで続くのである。散りばめられた笑い、豪快な殺陣やアクション、謎にくすぐられる上質のエンターテインメントを味わいながら、権力の横行に痛めつけられる庶民、流行り病のパンデミックなどの描写に、「巡り巡って、この世かな」

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