これまでの時代劇のイメージを一新し、軽妙なテンポで2時間超の物語を一気に見せた、井上ひさし原案、原田眞人、監督・脚本作『駆込み女と駆出し男』。主人公の信次郎を演じた大泉洋の芸達者ぶりも好評だった本作のDVD、BDリリースを前に、原田監督が「キャッチコピーをつけるなら、時代劇のルネッサンス。1841年にタイムスリップする感覚があると思うよ」と自信を見せ、裏話を語った。
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物語のモチーフは江戸時代の離婚。「テンポは『幕末太陽傳』、トーンとしては『赤ひげ』のような世界観を踏襲できたらいい」と考えたという監督が生み出した本作は、近年の時代劇にはないオリジナリティに溢れ、なおかつしっかりとした時代考証の基に作られた傑作となった。
まず耳に飛び込むのが大泉演じる信次郎のよどみないセリフ回しだが、監督が意外な作品との共通点を挙げた。「この感じは、それこそ、97年に撮った『バウンスkoGALS』と同じ。なぜ『バウンス…』を撮ったかというと、あのコギャル世代の言葉の響きがとにかくよかったから。
それまでの日本人のスラングは書き言葉がベースになっていたけれど、あのコギャル世代は聞いて面白いものを作った。