くらし情報『アリス=紗良・オット、ウルバンスキとの息の合ったベートーヴェン』

2017年1月11日 17:35

アリス=紗良・オット、ウルバンスキとの息の合ったベートーヴェン

以来、食事をしたり、音楽談義をしたりをしたりするほどに。

「いつも新鮮な視点をもって作品を探求する人で、ベートーヴェンのこのコンチェルトでも、私に新たな意見を提案してくれました」

実は、アリスはこのコンチェルトの第1楽章と第2楽章は調性も内容も表現もまるで異なるため、どのように気持ちを切り替えて演奏するべきか悩んでいた。するとウルバンスキは、あまり楽章間の時間をおかず、続けて演奏するべきだといったのである。

「目からウロコでした。本番でそれを実施したら、とてもうまくいったのです。短調から長調への移行がスムーズで、ごく自然につながりました。以後、間をおかずに弾いています」

アリスは、子どものころから「自分のアイデンティティ」について悩んできた。ドイツ人なのか日本人なのか、自分は何者なのか、さまざまな悩みが彼女の内面にずっと居座り続けている。
しかし、ピアノを弾くことで自己を表現する手段を得、心が解放された。「私は音楽によって救われたのです。ピアノは自己表現の大切な手段。ことばを話すよりも的確に自分を表現することができます」

そんなアリスのピアノは情感豊かで雄弁、聴き手の心にストレートに語りかけてくる。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.